ビール|キサントフモールがHDLコレステロールを上昇させる

ビールとは、日本での酒税法により、「麦芽、ホップおよび水を原料とし発酵させたもので、他に米、トウモロコシ、澱粉などの他の材料も一定範囲内(麦芽の1/2以下)で使用することができる」と定義された飲料です。

アルコール度数は約5度で、酵母や発酵方法などで色や風味が異なります。

350ml缶のビールはご飯一膳分に相当し、カロリーは高めです。

ビール片手にポテチをつまみながら映画やスポーツ中継に興じる……のは至福のひとときでしょうが、カロリーオーバーで肥満する恐れがあることは否めません。

ビールの歴史は古く、紀元前4000年頃、メソポタミア文明の礎を築いたシュメール人により「黒ビール」、「褐色ビール」などのビールが製造されていたのが最古(シュメール人はワインの製法も開発した)とされています。

神々に捧げる神聖な飲み物として、また、人々にも分け与えられていました。

中世ドイツにおいては、ビールをスープにして食べる等、人々の大切な栄養源となっていました。

日本で最初に「ビール」の記述が現れたのは、「和蘭問答(1724年)」です。

オランダ人から献上された「麦酒(ヒイル)」ですが、「何の味わいも無かった」そうです。

その後、1853年頃、川本幸民氏が日本人で初めてのビール醸造に成功しました。

桂小五郎を含む数名を招き、試飲会を行ったそうです。

ビールで乾杯

「とりあえずビールね」

飲み会の開催には必ずと言っていいほど聞かれる台詞です。

キンキンに冷えたビールはあまり苦味を感じないものの、生温くなってくると苦味が舌に刺さるように感じるものですよね。

あの苦味は、ビールに含まれるホップ成分によるものです。

とはいえ、なぜあんな苦い飲み物を好きこのんで頼むのでしょうか?

なぜなら、「苦味」は慣れることができるからです。

慣れれば慣れるほど、ビールの苦みを美味しく感じることができるとか。

 

食材データ

種類:アルコール飲料
旬の季節:年中

主な効能

動脈硬化の予防
胆石の予防

 

栄養成分

ビール

血液中のコレステロールには、大きく分けて2種類があります。

「LDLコレステロール」と「HDLコレステロール」です。

ざっくり言うと、「動脈硬化を促進させる悪玉コレステロール=LDLコレステロール」で、「余分なコレステロールを肝臓へ回収する働きを持つ善玉コレステロール=HDLコレステロール」です。

「コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)」と呼ばれるタンパク質が活性化すると、HDLコレステロール(善玉)がLDLコレステロール(悪玉)に変わってしまいます。

近年の研究結果により、ビールの原料であるホップが含有する「キサントフモール」という成分が、CETP活性を阻害することがわかりました。

これにより、HDLコレステロールが上昇することも確認されました。

つまり、ビールを適量飲めば(1日中瓶2本以内)、「善玉コレステロール」である「HDLコレステロール」が増えるのです。

適度なビール摂取は血液循環を促すため動脈硬化を防ぎ、「心筋梗塞」や「脳梗塞」の予防にも繋がります。

また、フィンランド国立公衆衛生研究所のピエトネン博士が、フィンランド男性27,000人の食生活を3年に亘り調査・分析したところ、1日グラス1~2杯のビールを飲んでいる男性は、全く飲まない男性と比べ、胆石発症率がおよそ40%減少することがわかったそうです。

但し、ビールには「プリン体」が含まれています。

「プリン体」とは、DNAを形成する核酸の材料になる塩基であり、「プリン体」の最終代謝産物が「尿酸」です。

ビールを過剰摂取すれば、「尿酸」の量が多くなり過ぎ、高尿酸血症や痛風を発症する恐れもあります。

漢方学の観点では、ビールは「寒」に該当する食材で、体を冷やす陰性食品。

真夏にクーラーのガンガン効いた部屋で、薄着のまま冷たいビールを飲む、なんてことは「冷え性」の人にとっては大敵です。

体が冷えやすくなり、肌が乾燥してバリバリになるなどの悪影響が出るかもしれません。

海外では、風邪気味の時や寒い季節柄は、エールビールを温めた「ホットビール」なるものを飲むのが普通とか。

結構美味しいらしいですから、試してみてはいかがでしょう?

 

特徴

ビール

ビールは、保管温度、日光、衝撃、酸化などにより、味が変化しやすい酒類です。

保管場所は暗所で低温、温度変化や振動のない環境が適しています。

開封後は、味の劣化を避けるため、なるべく早く飲み切りましょう。

飲み切れなかった場合は、ラップで密封するなどの工夫で数日なら持ちます。

保管温度の適温は発酵時と近い温度とされています。

ラガービールは10℃以下、エールビールは15℃~ 25℃程度が適温です。

ビール製造後の副産物であるモルトフィード(麦の皮など)が発生するため、ほとんどは家畜飼料として利用します。

また、一部分は加工し、段ボールやコースターなどに利用します。

 

種類

大麦

中国、アメリカ、ロシア、ドイツ、ブラジル、メキシコ、日本、イギリス等で製造されています。

種類は「エール」、「ラガー」、「自然発酵」があります。

日本のビールは、「アサヒビール」、「麒麟麦酒」、「サッポロビール」、「サントリー」の4社が主要ビールメーカーであり、アルコール度数が約5.0%の淡色のラガーを主に製造しています。

アサヒビール(アサヒスーパードライほか)、麒麟麦酒(キリンラガービールほか)、サッポロビール(ヱビスビールほか)、サントリー(サントリーモルツほか)の名が挙げられます。

 

レシピ

牛肉のビール煮

とろみのある牛肉のビール煮。

牛肉はビールで煮込むことで柔らかく、まろやかな風味に変わる。

とことんビール好きの方は、これをつまみにしてビールを飲むのも、また乙。

 

ビアカクテル

トマトジュースをビールに入れると「レッド・アイ」、レモネードを入れると「パナシェ」、異なる種類のビールを混ぜる「ハーフ&ハーフ」など。

ビール単体で飲むのも良いが、たまにはカクテルにしても楽しい。

レッドアイ

 

ビール キサントフモールがHDLコレステロールを上昇させる まとめ

350ml缶のビールはご飯一膳分に相当し、カロリーは高め。

油分の多いつまみと一緒にがぶ飲みしてしまうと肥満の恐れがあります。

ビールを適量飲むことで血液循環が促され、動脈硬化の予防に繋がります。

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