寝ても寝ても眠気が取れないのは病気のせい?|睡眠不足の勘違い

「ふわあ」と大きなあくびが出るのは、明らかに寝不足の証拠。

まあ、「ふわあ」ぐらいならまだしも、猫のように大口で「くわあっ」と声を出していうあくびをする人もいるようですが。

あくびをしても、ほんの一時のことならば、そんなに心配しなくても良いと思いますが、一日に何度も、あるいは毎日毎日あくびが出てしまうということであれば、何か体に変調があるかも知れないので、その原因を探る必要が出てきます。

寝不足になる理由が特にないのに、睡眠が足りなくてつらいと感じるのなら、それも早目に原因を見つけた方がよいと思われます。

それにしても、寝ても寝ても眠気が取れないと思ってしまうのには、一体どんな原因が考えられるのでしょう。

今回は、睡眠不足になる原因とその対処法などについて紹介したいと思います。

十分な睡眠をとっているのになぜ昼間に眠くなるの?

夜はちゃんと寝ているはずなのに、昼にも強烈な睡魔が襲ってくるのは、どうしてだろう?

と疑問に感じたことはありませんか?

夜に十分な睡眠をとっているのに昼にも眠気が取れない原因って一体何なのでしょうか。

睡眠の「質」に問題あり?

良い睡眠とは、長さに比例するものではありません。

長く寝れば良い睡眠というわけではないということなんです。

例えば3~5時間程度の睡眠であっても、その睡眠の質が良ければ、昼間に眠くなるということはないはずです。

睡眠不足の自覚はある?

本当のところは睡眠時間が不足しているのに、何も自覚がないので本人は「寝た気」になっています。

しかし、体は慢性的な睡眠不足状態なのです。

すると、日中耐えられないほどの強い眠気に襲われてしまうことがあります。

寝過ぎていない?

「今日は休日だから明日の分も、明後日の分も寝だめしておこう」と思って、長時間寝る人もいますが、実は一定時間以上に寝てしまうと、逆に体が疲れてしまって、ぐっすり寝たという感覚が薄くなってしまうのです。

「寝過ぎで疲れた」と冗談めかして言う人がいますが、真実かも知れません。

二度寝していない?

二度寝をすると、最初の睡眠と同じように深く寝入ってしまう傾向があるようです。

そのため、短い時間で起きると脳の覚醒が遅れるので、目覚めも悪くなります。

どれだけ寝ても眠気が取れない人の特徴

朝起きたとき、寝足りないと感じる人には、共通した特徴があるそうですよ。

どんな特徴でしょうか。

下記に5つあげてみます。

夜遅くに食事をとっている

夜遅くに食事を摂ると太りやすくなるというのは、何を見ても言われていますが、睡眠の妨げにもなってしまうことは知ってましたか?

遅い時間や、寝る直前に物を食べると、消化器官である胃や腸がその食べ物を消化しようと寝ている間も働くことになるので、内臓が休めないのです。

なので、夜間働いてくれた内臓の疲労感から、翌朝には睡眠不足を感じることがあるそうです。

寝る直前までテレビや携帯を見ている

夜9時以降に、テレビや携帯が発している強い光を見ていると、睡眠の妨げになると言われています。

他にもテレビや携帯電話の使用時間が長ければ長いほど、睡眠不足を訴える人が増えるというデータもあるそうですよ。

ストレスを感じている

真面目で一生懸命な人ほど、何事も完璧にしようと頑張るあまり、自分を追い込んでしまうので、息抜きができず、ストレスを抱えやすくなってしまいます。

ストレスがあると、質の良い睡眠が取りにくくなってしまうので、睡眠不足になる恐れがあります。

日ごろの運動不足

体の筋肉を使わずに、脳ばかりが働いている状態が続いてしまうと、心身のバランスが崩れて、いくら寝ても疲れや眠気が取れなくなり、睡眠不足だと思うことがあります。

寝ても疲労感が抜けないので、体を動かさずにじっとして静かに過ごそうとしまいがちなのですが、運動不足が原因で起こっているので、休めば休むほど睡眠不足を感じるという悪循環に陥ってしまいます。

二度寝している

二度寝をすると脳の目覚めが悪く、ボーッとして集中力が低下し、睡眠不足と同じような状態になってしまいます。

いつも眠気があるのは病気なのか?

夜更かしをした翌朝に、眠いとか、寝足りないと感じるのは、睡眠不足という原因がわかっているので特に心配はありません。

しかし、病気のせいで睡眠不足と感じているときは、その病気が治らない限り、いつまでも睡眠不足に悩まされてしまうことになります。

では、睡眠不足になる病気とは一体どのようなものでしょうか。

睡眠不足症候群

慢性的な睡眠不足状態が3ヶ月以上も続いているのに、本人にその自覚がないものを睡眠不足症候群と呼びます。

日中に襲ってくる強い眠気に困って、病院を受診する患者さんの中で約7パーセントがこの病気と言われています。

日中のひどい眠気の他には、イライラしたり、集中力の低下、倦怠感、食欲不振などの症状が現れることがあるので、体調不良で病院へ行ってこの病気と診断される場合もあるそうです。

睡眠時無呼吸症候群

名前のとおり、寝ている時に呼吸が止まってしまう疾患です。

これも最初は本人には自覚がなく、家族などが気づくケースが多いようです。

寝ている時に呼吸が止まるということは、酸素が脳に行かないことになります。

すると脳が酸素不足になってしまうので、睡眠不足に加えて疲労感や頭痛などの症状も現れると言われています。

不眠症

睡眠不足が症状として現れる病気のうち、一番代表的なものが「不眠症」と言われています。

不眠症には4つのタイプに分かれます。

ベッドや布団に入ってもなかなか寝付くことができない「入眠困難」、寝ている途中に何度も何度も起きてしまう「中途覚醒」、目覚ましの設定時間より2時間以上も前に目が覚めてしまい、その時間からは全然眠れなくなる「早朝覚醒」、そして睡眠時間は長いのに熟睡した気がしない「熟眠障害」の4つです。

うつ病・季節性うつ病

気分がひどく落ち込んだり、やる気や行動力が減少してしまうのがうつ病です。

その特徴的な症状の一つに「不眠」(睡眠不足)があるのです。

うつ病の場合は「過眠」と言って長時間眠り続ける症状が出ることもありますが、患者さんの多くは不眠になると言われています。

ナルコレプシー

過眠症とも言い、成長期にある中高生に多いと言われている疾患です。

原因はオレキシンというホルモンの分泌が足りなくなることによって、強い眠気に襲われて、いきなり眠りこんでしまうそうです。

学校の授業中など、一般常識で考えて絶対眠ってはいけないだろう場所でも寝入ってしまうため、単なる怠け者だと誤解され、治療に苦労するケースも多いと聞きます。

眠気に襲われた時の5つの対処法

日中に我慢できないほど強い眠気に襲われたら、次にご紹介する5 つの対処法を試してみましょう。

仕事中、授業中に眠くてたまらなくなった…でも寝入ってしまうことは絶対できませんよね。

下記の5つの方法で対応してみて下さい。

昼寝をする

可能であるならば昼寝をしましょう。

しかし、長時間のお昼寝てはダメです。

15~30分ほどの短い時間、昼寝をすると脳が活性化され、その後の眠気を防いでくれるのです。

クール系の目薬を利用する

目薬を挿すと疲労が回復され、眠気を抑えることができます。

またクール系目薬の刺激も脳を覚醒させて、眠気を取り払ってくれますよ。

ツボを押して刺激を与える

手の平のほぼ真ん中にあるツボ「労宮」は眠気覚ましのツボと言われていますので、押してみましょう。

ストレッチをする

体を動かして眠気をとります。

ずっと同じ姿勢でいると、体が固まり、どうしても疲労が溜まりやすくなります。

ちょっとした時間を見つけてこまめにストレッチをすることで、体の疲労を溜まりにくくして、眠気を感じにくくさせます。

冷たい水を飲む

眠気覚ましに冷たい水を飲んだり、水で濡らした手を顔にあてると効き目がありますよ。

睡眠の質を改善する方法とは?

睡眠の質を改善するためには「どれだけ寝ても眠気が取れない人の特徴」で紹介した寝不足になりやすい人の特徴の正反対のことを実践するのがよいでしょう。

寝る2時間前にお風呂に入って体を温めると、一旦上がった体温が再び下がり始めるタイミングで、すんなりと入眠しやすくなりますし、ホットミルクやココアなど自律神経を鎮める働きのある飲み物を摂ると、体が眠りモードに入っていきます。

それでも眠気が取れない場合、病院へいくべきか?

様々な方法を試してみても睡眠不足が解消されないときは、病院へ行って診察してもらってください。

その場合、精神科または心療内科を受診するようにして下さい。

最近は、睡眠不足の症状に特化した「睡眠外来」を設けている大学病院や総合病院なども増えています。

近くに大学病院や総合病院がある場合は診療している科を調べてみましょう。

寝ても寝ても眠気が取れないのは病気のせい?|睡眠不足の勘違い まとめ

睡眠不足は放置しておくと、体だけではなく心を大きく蝕んでしまう恐れもあります。

「人間は人生の3分の1は睡眠時間に使用している」とも言われますから、質のよい睡眠を確保することはとても大切になります。

「1日2日寝なくたって死にゃしない」とは眠らないときの開き直りセリフでよく聞くフレーズです。

確かにいつも眠れる人がたまに眠れないからといって不安になる必要はあまりないでしょう。

ただし、眠れない日がずーっと続くのは危険です。

悪化して他の病気を引き起こさないよう、また、他の病気の証拠かも知れないので、すぐに対処してくださいね。

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