履歴書

大卒と高卒、さらには中卒、過去の日本では何かにつけて議論されてきた学歴ですが、実際大きな違いがあるのでしょうか。
ショーンK(ショーン・マクアードル川上)さんはオープンキャンパスに参加しただけで留学と公表していたようですが、大学側が卒業を否定した事件もありました。
プロ野球監督を務めた野村監督の奥様でタレントの野村沙知代さんも学歴詐称疑惑で話題にのぼりました。
また、歌手のダイアモンドユカイさんは大学中退だったのに、ウィキペディアなどでそ「卒業」とされていたのに対し、自ら修正したそうです。

さて、このほど大卒の人が高卒だと偽って公務員になったという事件がありました。
神戸市の経済観光局に勤めていた男性事務職員(公務員)は、大学を卒業していたのに採用試験で履歴書に高卒と記入して、高卒の区分で合格していたというのです。

神戸市役所に勤めていたこの職員を同市役所は学歴詐称として懲戒免職したとニュースで報じていました。
議員の学歴詐称によくみられる大卒じゃないのに大卒と偽るのに対して、大卒なのに高卒と偽った事件に疑問が残ります。
公務員の採用試験にとって大卒と高卒ではどのような違いがあるのでしょうか。

 

公務員試験には大卒枠と高卒枠がある

学歴公務員試験には大卒枠と高卒枠があります。
学力別に試験問題の難易度が分かれている他、倍率にも違いがあります。
大卒枠では当然、学力に長けたツワモノを相手にすることとなりますので倍率が高いのはいうまでもありません。
しかし、高卒枠ではその学力と競争率から難易度は低めに設定されており、倍率も大卒枠ほど高くはありません。

公務員試験だけをみると大卒よりも高卒枠のほうが有利と断言できるでしょう。
今回の学歴詐称事件のように大卒者が比較的容易な高卒枠を選んで試験を受けるということは大きなメリットです。
しかし、大卒者が高卒枠の試験を受けることはできません。

 

大学生が高卒枠の試験を受けれるのか

大卒枠、高卒枠ではそれぞれ受験資格となる年齢が定められています。
地方によりことなるこの年齢制限ですが、大抵高卒枠で20代、大卒枠で30歳までというようなものです。

大学生が高卒枠の試験を受けることもできます。
このほうが競争率が高くないので合格する可能性は上がるかもしれません。
ただし、高卒枠の試験を合格して採用されたら、いま在学している大学を中退しなければなりません。
当然ですが、在学している大学を卒業してからでは大卒になり、高卒枠にはなりませんね。

 

大卒と高卒の収入と出世

履歴書公務員の生涯収入額は大卒も高卒も2億6千万円とほぼ同じです。
月収やボーナスにもほとんど違いはなく、高卒枠で公務員になったほうがメリットがあると言えるでしょう。
4年制の大学に比べると高卒の方が4年間長く働くことになりますが、公務員試験の難易度と同等の収入から考えれば高卒の方がかなり美味しい部分があるでしょうね。

出世面でもそれほど大きな差はでないようですが、小さいながらも差が出るようです。
収入が同等というのは同じ役職という場合ですので、当然出世すれば給与面も変わってきます。
出世がお望みでなく、公務員としてゆったりとした生活を望んでいる方は高卒枠、出世してそれなりの生活をお望みの方は難易度は高くなりますが大卒枠という選択肢になるでしょう。

かといって高卒では出世できないということではありません。
同じ能力、同じ働きなら、一流大学卒>大卒>高卒 という差があるだけで、公務員試験の難易度 大卒<高卒 とは反比例します。

今回、起こった「大卒が高卒と偽った学歴詐称」事件はこういった背景から生まれたものだったのですね。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう