6時間未満の睡眠時間でほんとうに大丈夫?

日本人の平均睡眠時間は、6時間未満の割合が多く、世界的にみても短いと言われています。
ナポレオンや織田信長の平均3時間とくらべると、倍ほどの睡眠時間ですが、本当に足りているのでしょうか。
心身の健康に与える影響や、理想的な睡眠時間について考えてみたいと思います。

現代の生活スタイルと睡眠時間

明かりが貴重で、日の出や日の入りとともに生活していた江戸時代と比べて、現代の生活スタイルは多様です。
電気の普及により、24時間明かりが確保されただけでなく、テレビやネットの利用で、現代人は眠らなくなっています。

現代人の睡眠に関する問題は、LEDの普及により、さらに加速します。
LEDが放つブルーライトを、網膜から感知すると、脳から睡眠を抑制する信号が発せられるようになります。
つまり、LEDは睡眠障害といった悪影響を人体に及ぼすのです。

LEDを使用した製品は、身の回りに溢れています。
照明機器をはじめ、スマホ、液晶テレビ、ゲーム機など、さまざまです。
また、騒音の増加、学習や仕事時間の延長など、現代人の周囲には、睡眠時間を短縮させる要素が多いのです。

人間の体内には、「体内時計」という生活リズムを管理する機能が備わっています。
ただし、この体内時計の周期は、きっちり24時間というわけではありません。
毎日15分ほど遅れる仕組みになっているため、体内時計の導くままに眠りにつくと、就寝時間がどんどん遅れていくことになります。

体内時計をリセットするには、朝の日光を浴びなければなりません。
できるだけ調整できるよう、心がけておくと良いでしょう。

確保しておきたい睡眠時間

人間の睡眠時間は、年齢とともに減っていきます。
年をとると朝が早くなる、という話はよく聞きますね。
基礎代謝が低下することによって、長時間の睡眠が必要なくなるためだと言われています。
60代以上の睡眠時間も、平均6時間ほどと言われています。
しかし、この睡眠時間は、眠りをそれほど必要としない高齢者であっても、足りないようです。

睡眠は、生物にとって必要不可欠なもの。
一晩のうちに、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」というサイクルを繰り返して、身体と脳を休めます。
このサイクルは、平均90分ほどの間に繰り返されます。
眠りにつくと、はじめは「ノンレム」状態となり、深い眠りに入ります。
その後、眠りが浅くなり「レム」状態となっていきます。

「ノンレム睡眠」では、大脳皮質を休ませることで、記憶を助ける役割を果たします。
人間が起きている間に体験したことは、脳の奥に一時保存されます。
それを上手に配分させたり、長期記憶としたりするのが、ノンレム睡眠なのです。

「レム睡眠」では、体験によって得た知識などの情報処理という役割を果たします。
必要なもの、不要なものなどに分けながら、さまざまに知識を組み合わせているのです。
人間が夢を見るのも、レム睡眠のときです。
眠っていると、新たなひらめきや発想が生まれるのも、レム睡眠があるからです。

睡眠時間が短いと、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の役割が果たされにくくなります。
つまり、長期記憶が難しくなり、新たな発想も生まれにくくなるということです。
仕事のうえでも、学習のうえでも、効率が著しく下がってしまうのです。

また、浅く短い睡眠を毎日続けることは、心身の健康にも、マイナスの影響を与えます。
身体的な面では、高血圧動脈効果など循環機能の障害や、ガンのリスクなどが代表的なものです。
精神的な面では、うつ病認知力の低下などが挙げられます。

子どもの場合、注意欠陥・多動性障害(ADHD)と似た症状をもたらす報告があげられています。
大人でも、強いショック体験の後などにレム睡眠が不足すると心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症する可能性が高まります。

さまざまなリスクを避けるためにも、6.5~7.5時間の睡眠時間は確保しておきたいものですが、眠すぎもよくありません。

睡眠における注意点

良い睡眠を得るためには、次のような点に注意しておきましょう。

睡眠導入剤の使用は避ける

眠りが足りないのであれば、睡眠導入剤が良いのではないかと思われがちですが、逆効果となることもあります。
とくに、「ベンゾジアゼピン系」「非ベンゾジアゼピン系」の睡眠導入剤の服用は避けましょう。
眠りにはいざなってくれますが、睡眠の質は下がってしまいます。
また、長期の服用は、認知症を招く原因にもなりかねません。

飲酒はほどほどに

大量のアルコール摂取は、レム睡眠を抑えてしまいます。
脳の情報処理を阻害して、新たな発想も生まれにくくなります。
できれば、就寝の4時間前の飲酒は控えましょう。
アルコール依存症の方が、お酒を絶つと幻覚症状を見ることがあります。
アルコールが減ったことにより、起きながらにしてレム睡眠と同じ状態になるためです。

ラストの2時間を逃さない

人間の睡眠は、後半に入ると、レム睡眠へと入ります。
とくに7.5時間の睡眠のラスト2時間に得られるレム睡眠は、クリティカルピリオドと呼ばれ、重要だとされています。
6時間睡眠が通常となっている場合、ラスト2時間の大切な時間を逃しているのです。
若い世代も高齢者でも、できれば6.5~7.5時間睡眠を実現して、良質の眠りを確保したいですね。

6時間未満の睡眠時間でほんとうに大丈夫? まとめ

仕事や学習の効率が悪いと感じたら、その原因は、睡眠時間の不足にあるのかもしれません。
効率面でも健康面でも、6時間の睡眠では不十分。
しっかりと眠って、頭も身体もリフレッシュした毎日を過ごしましょう。

しかし、眠すぎもよくありません。
睡眠時間は6.5~7.5時間が理想とされていますが、8時間以上の睡眠を毎日続ける人は死亡率が高くなるという研究結果もでていますので、眠すぎには注意が必要です。

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