横溝正史の世界|金田一耕介シリーズの特徴と岡山疎開

横溝正史は兵庫県生まれの推理小説作家として知られていますが、岡山県を舞台にした作品が多いことにお気づきでしょうか。

横溝正史といえば金田一耕助シリーズが代表作ですが、その中でも本陣殺人事件、八つ墓村、悪魔の手毬歌、獄門島、夜歩く、悪霊島などの名作は岡山県の山間部が舞台になっています。

これらの作品を金田一耕助シリーズ岡山編と呼んだりもしますが、何故これほどまでに岡山の作品が多いのでしょうか。

横溝正史の経歴をみると意外な事実と、作品の関連性が見て取れます。

 

薬剤師から推理作家へ

横溝正史横溝正史は実家の稼業・薬剤師をしていましたが、懸賞で応募した小説が入選し、江戸川乱歩から東京に来るように言われ、一時は博文館に入社することになります。
博文館では『新青年』の編集長に就任しましたが、創作活動にも力を入れていたといいます。

しかし、持病の肺結核の悪化により、長野県八ヶ岳山麓での療養生活をすることになります。
長野県が舞台の作品では『犬神家の一族』が有名ですが、戦時中の制限により探偵小説が禁止されていたことで、推理作家としての頭角をだせないでいました。

そこへ岡山県への疎開の話が舞い込みます。

 

横溝正史作品の特徴

岡山編と呼ばれる金田一耕介シリーズでは岡山県山間部の同じ村、もしくは隣り合うような地理的に近い場所が設定されています。
このような近い村を設定しているのには岡山への疎開が鍵となります。

また、時系列にも特徴があります。
岡山編では、多くの作品が同じ時代設定がされています。
連続している事件や、重なり合った事件が多いのも横溝正史の特徴といえるでしょう。

このように、同じような場所、近い時代設定で、なんとも言えぬ怪奇的な推理ものというのが、横溝正史作品の特徴としてあげられるのではないでしょうか。

 

横溝正史の特徴を生み出した岡山疎開

金田一耕介岡山での疎開中は夜な夜なご近所さんが集まっては、酒を飲んでいました。
何もすることのない田舎でしたから、皆が集まるとそれぞれが持ちネタである色々な話を始めたそうです。
古い風習をよく知る古老からはおどろおどろしい話を毎晩のように聞くことになります。
これらの話は田舎に残る妙な風習や、血縁者との因縁や相続争い、倒錯的な性などの話が多かったといいます。

少し話し方に工夫すると田舎の風習は、怪奇的な印象になります。
ここで、横溝正史は戦争の終結までの3年間、自身の作品のネタを豊富に仕入れたのでしょう。

この古い風習にオカルト的な超常現象を用いず、推理とトリックに重点を置いた作品にこだわったことで、横溝正史独特の怪奇的な世界観が生み出されたのです。

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