因幡の白うさぎ

アルビノは、動物学的にいうとメラニンの合成が低下欠乏する遺伝性の病気です。
日本では白皮症と呼ばれています。

人には、それぞれ何らかのコンプレックスを持っていたりします。
「二重になりたい」「頭部がハゲてきている」というような悩みをお持ちの方もいるでしょう。
しかし、ことアルビノにおいてはこういったコンプレックスとは、全く違った次元の差別を受けることもある重大な問題です。

6月13日は国際アルビニズム啓発デーということで、アルビノという病気を認識し、彼らに対する差別や偏見をなくそうという意識啓発活動を行う日として制定されました。

 

アルビノとは

因幡の白うさぎ

アルビノ(albino)は、動物学においては、メラニンの生合成に関わる遺伝情報の欠損により先天的にメラニンが欠乏する遺伝子疾患がある個体である。
肌の日焼けは、メラニンからなっていることはご存知でしょう。
このメラニンの先天的欠乏により、皮膚、体毛が白く、瞳の色は赤色になります。
なぜ、赤い瞳かというと、メラニンの欠乏により、瞳孔の毛細血管が透過して赤色に見えるというのです。

動物では、目の赤い白兎があげられます。
日本に古くから伝わる神話「因幡の白うさぎ」で有名です。
体毛や皮膚が白いことから自然界では発見されるリスクが高まり、生存率は極めて低くなります。

 

信仰の対象

白蛇動物でのアルビノは、神聖視されることもあります。
民間信仰の中でのアルビノは、珍しい動物というだけではなく、時に「ありがたい動物」として神話や民話などに登場します。

その代表的なのが白蛇です。
自然界に於いてアルビノの生存率が低いことから、「白蛇が家に居るとその一家は繁栄する」とか、弁財天の眷属に白蛇がいることから「金運の神様」といった信仰の対象になっています。

山口県岩国市では、白蛇が多く、天然記念物に指定されているといいます。

 

凶兆

アフリカ動物のアルビノが吉兆だったこととは逆に、人間のアルビノは、凶兆を表すとして、差別や迫害をうけてきました。
アフリカの一部の国では、アルビノの人の体には魔術が宿っているとして、体の一部を切り取られたり、殺害されることもあったといいます。
これは、もう「差別」という問題ではないですね。

また、一説によると「白人は元々アルビノである」ともいいます。
人類はアフリカで発祥したという説があります。
アフリカではアルビノが生まれると、魔術が宿っているとして迫害しました。
迫害されたアルビノは北へと逃げ延び、現在の白人になったという説です。

歴史的に酷い目にあってきたアルビノの人への理解を促す「国際アルビニズム啓発デー」は必要だと感じていただけると良いですね。

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