大麻取締法

マリファナを吸う人大麻取締法とは太平洋戦争終結後に日本で作られた大麻やマリファナの所持、販売、栽培を取り締まる法律です。
この大麻取締法の刑罰は重く、無許可所持に最高懲役5年、営利目的栽培ではたいてい執行猶予はつかず懲役7~10年というものです。

大麻やマリファナと聞くと私たち日本人は悪いイメージばかり植えつけられていますが、海外では以外にもオープンな国も少なくありません。
日本人でも旅行先でマリファナを吸うといったことが楽しみのひとつとなっているようです。

しかし、大麻取締法は日本国内のみで有効な法律ではありません。
海外で大麻の所持、販売などを行った場合も大麻取締法が適応され、重い罰則を受けることがあります。

「受けることがある」と書いたのは理由があります。
実際、海外でマリファナを楽しんだり、買ったりした場合、大麻取締法違反となり逮捕されますが、海外での監視の目は甘く、販売目的で所持していたりでもしない限りほとんど見つかることはありません。

ただし、犯罪は犯罪です。
先日、先進国では初といわれる大麻の合法化となったカナダでも注意は必要です。
旅行先の国で大麻所持が合法だったとしても私たち日本人は見つかったら直ちに処罰を受けますので、手を出さないでくださいと旅行客に案内されています。

 

マリファナを吸っても犯罪にならない理由

大麻取締法大麻取締法では大麻(マリファナ)の所持、譲渡、売買に重い罰則が定められていますが、大麻の「使用」については規定がありません。
大麻を使っても犯罪にならないのです。

ということは、マリファナを吸っても犯罪にはならないということです。
しかし、マリファナの所持や譲渡は犯罪ですから、所持せず、譲渡されずにマリファナを吸うことは不可能ですよね。
仮にマリファナパーティなるものがあったとして、そこで吸うにも誰かに譲渡されない事には使用できませんから。
従って、マリファナを吸っただけだから罪にならないということはあり得ません。

覚せい剤などの麻薬には所持や譲渡だけでなく、使用についても罰則が規定されていますが、なぜ大麻は使用では罰則が規定されていないのでしょうか。
どうせ、罰則を受けるのだから規定に書いておけばいいのにって思っても当然ですよね。

なぜ、大麻取締法では「使用」について規定がないのか。
それは産業用大麻の存在です。

しめ縄日本では大麻取締法が制定されるずっと前、太古の時代から大麻草の栽培が行われており、神社のしめ縄の原材料などに使用されてきました。
また、私たちが日ごろよく口にする七味唐辛子に入っている「麻の実」は大麻草から採取されるものです。

このように大麻草の葉っぱや花以外も古くから利用されてきたので、これを「使用」として全てを罰することはできません。
こういった理由から大麻取締法での「使用」に関する規定がないのです。

また、研究者などは大麻取扱者免許を取得していますので所持に関しても問題ありません。

 

大麻合法化の波

また、近年では大麻の研究が進み、アルコールやたばこよりも害が少ないという発表もされており、大麻を合法化する運動もあるようです。
日本では大麻が合法になることはないでしょうが、世界に目を向けてみると大麻を取り締まっていない国や州は意外と多いことに気づきます。
さらに、大麻の害の少なさが注目されることにより、世界中で大麻合法化の傾向にあるといってもいいでしょう。
先進国としては初となるカナダの大麻解禁がそれを表しています。

ひとくちに大麻合法化といっても「医療目的の大麻の使用」、「マリファナを楽しむことを許可されている」、「大麻の所持を取り締まっていない」というように国や州によって違いがあります。

また、合法化といわれていますが、実は合法で大麻を使用できる国は少なく、「犯罪ではない」、「取り締まっていない」ということですので誤解のないように。
これは非犯罪化と呼ばれ、法律では禁止されているけれども、実際に取り締まりは行われていないことを言います。

 

非犯罪化の国

アムステルダムオランダは大麻合法国として知られていますが、法律では大麻の所持、使用は禁止されています。
アムステルダムでの大麻使用者は住民の半数を超えるほどであるといわれています。
コーヒーショップでも大麻を販売しており、気軽に買って楽しむことができますが、販売店は行政により厳しく管理されています。

このように大半を超える使用者がいるアムステルダムでは大麻を完全に追放することは不可能だという考えから、行政の管理下で販売を許可するという政策がとられています。
これは少量の大麻(マリファナ)などのソフトドラッグを容認することで、ヘロインやコカインなどのハードドラッグを撲滅しようとする現実的ともいえる麻薬政策です。

コーヒーショップで大麻を使用するのは1日に一人あたり5グラムまでと制限されており、また個人の使用に関しても5グラム以下であれば起訴を猶予するというガイドラインを引くことで「違法だけど罰せられない」ということが「合法」というように捉えられているのです。
また、未成年者はコーヒーショップに入店すること自体が禁止されています。

ドイツでも首都ベルリンでのみ15グラムまでの所持が認められていますが、公共の場での使用は禁止されています。
ドイツはヨーロッパで一番最初に大麻を非犯罪化した国ですが、意外と使用者率は低いようです。

ポルトガルでも麻薬の取り締まりに「大麻解禁」という方法をとっています。
1日一人あたり2.5グラムの使用が容認されていますが、トラブルを起こすと没収されます。

この他、ロシア、ベルギー、スイス、イギリス、キプロス、フィンランド、スウェーデン、オーストリア、デンマーク、イタリア、フランスなどで大麻の非犯罪化による麻薬取締政策が行われています。

中南米ではジャマイカが非犯罪化していますが、大麻の所持、使用に対して罰金が適応されます。
また、アルゼンチンは法律上「禁止」されていますが、成人に限りトラブルを起こさない限り大麻使用が認められたというような裁判がありました。

他には、ボリビア・メキシコ・パラグアイ・ペルー・ブラジル・コスタリカ・ドミニカなどが非犯罪化されている国です。

アジア・中東ではイラン、イラクくらいでしょうか。

 

合法化の国

スペイン(トレヴィ泉)こちらは法律により禁止されていない国。
つまり大麻は合法とされている国です。

スペインの法律は強烈です。
スペインでは「個人で栽培した大麻の個人使用は合法」とされています。
つまり、「栽培するのも使用するのも勝手にやってくれ」ということです。
スペインでは大麻の種は普通に販売されていますし、栽培だってできますが個人栽培ができるのは一人あたり5株までとされています。
友人などの家で栽培された大麻を無料で使用するのは合法ですが、販売したり、公共の場で吸うことは禁止されています。

しかし、この「友人」ということを利用して「大麻クラブ」というのがスペイン全土に広がっているようです。
大麻を個人で栽培するには根気がいるため、他人に譲ってもらいたいが、販売は禁止されています。
「大麻クラブ」というサークルを作り、サークル仲間での使用なら販売にならないという盲点をついたものです。
このサークルに入るために会費を支払っていれば、売買しているのも同じなんですがね。

チェコでもスペインと同様に一人あたり5株までの栽培が許されていますし、ジョイント(たばこ形状に包んだ大麻)を20本まで所持していてもよいとされています。

ウルグアイでは一人あたり6株までの栽培が合法。
ウルグアイでは薬局などで大麻を買えますが、1ヶ月に購入できるのは40グラムまでと政府に定められています。

スペインでは政府公認の組合を組織したり、ウルグアイでは政府が安値で大麻を販売するというような動きが見られます。
これは日本でいうアルコールやたばこのように政府が管理することで、マフィアによる闇の流通を阻止しようという政府の意図があります。

 

大麻取締法|マリファナが合法の国~合法化と非犯罪化~ まとめ

大麻草ウルグアイでは大麻の輸出入も合法化するというのですから大麻合法化の波は確実に世界を巻き込んでいます。

先進国であるカナダで大麻の所持、使用が非犯罪化したことも大きな波といってもいいでしょう。

しかし、日本の大麻取締法では、こうした海外での所持も処罰の対象となりますので、決して手を出さないようにと航空会社や旅行会社から注意が呼びかけられています。

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