警察官の拳銃

富山市奥田町にある奥田交番で男が押し入り、警察官を刃物で刺して拳銃を奪ったという事件が起こりました。

ニュースでも報道されている通り、犯人の身柄はその後確保されましたが、交番所長であった稲泉健一警部補、警察相談員、小学校警備員の中村信一ら3人の死亡が確認されました。

さて、犯人は警察官と警察相談員ら2人を刃物で刺した上、拳銃を奪って小学校の警備員に発砲したとありますが、そんなに簡単に素人が発砲できるものなのでしょうか?

警察官の拳銃

※上の写真はイメージです。

 

警察官の拳銃

警察官の拳銃私たちが目にすることのある警察官の拳銃といえば回転式拳銃、いわゆるリボルバー式のものです。

それも小型の印象があります。

近代までは標準的な警察官用拳銃としてニューナンブM60という拳銃が使用されていました。

ニューナンブM60は廃販となり耐用年数の問題からM37エアウェイトという拳銃に移り変わります。

さらに2006年頃からM37エアウェイトの後継機種であるM360を日本の警察官の特別仕様に改良したM360J”SAKURA”が現在の主な警察官用の拳銃となっています。

これらの警察官用拳銃はみな38口径のリボルバー式拳銃です。

さて、今では自動拳銃(オートマチック)の拳銃がゲームなどにも登場する時代ですが、なぜ日本の警察官の拳銃は移り変わりがあったにもかかわらずリボルバーにこだわるのでしょうか。

※写真はモデルガンです。

 

リボルバー式拳銃の利点が仇となった奥田交番事件

警察官が主に使用するリボルバー式拳銃にはオートマチック式にはない特徴と利点があります。

よく、構造が単純で壊れにくいとも言いますが、どんなときでも壊れないほど単純ではありませんし、これが大きな理由とは思えません。

では、リボルバー式を採用する利点について考えると答えがでてきます。

それはズバリ、使用方法が単純明快だという点です。

弾が入った銃があった場合、撃つために必要な行動は引き金を引くだけです。

オートマチックのように薬室に弾が充填されているか確認する必要もなく簡単です。

また、弾が不発だった場合も、もう一度引き金を引くだけという単純なものです。

この使用方法が単純明快という利点が、今回の奥田交番事件のように拳銃を奪われた時に仇となったわけです。

 

殉職した警察官の保障

今回の奥田交番警察官殺人事件のように警察官が公務中に犯人を捕まえる途中に殺害された場合は殉職となります。

殉職した警察官にはそれ相応の保障があるのでしょうか?

警察官が殉職した場合、その地域の警察本部が警察葬を行います。

また、殉職した警察官の階級は二階級特進されます。

さらに、殉職した警察官の遺族へ特別賞恤金と呼ばれるお金が数千万円贈られます。

この特別賞恤金は退職金とは異なるといいます。

市民を守るために殉職した警察官にはこれくらいの保障はあっても当然かと思いますが、できれば命の保障がある世の中になってほしいものです。

殉職された方々にはご冥福をお祈りします。

 

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